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除振台・定盤 ガイダンス

除振台
空気ばね式 上級型 JHDシリーズ 除振台JHD チューンド・マス・ダンピング構造を内蔵した『ハイグレードダンピング・スチールハニカム定盤』と『高性能三次元空気ばねシステム』を組み合わせた最高峰の除振機能を提供いたします。
JSDシリーズ 除振台JSD チューンド・マス・ダンピング構造を内蔵した『スタンダードダンピング・スチールハニカム定盤』と『高性能三次元空気ばねシステム』を組み合わせた高次元の除振機能を提供いたします。
普及型 J02シリーズ 除振台J02 全方位対応三次元空気ばねを使用したフラッグシップモデル
J03シリーズ 除振台J03 J02シリーズを手押しポンプ式にしたコストダウンモデル
J04Nシリーズ 除振台J04N “除振性能”と“コストダウン”の両立を徹底追求したエコノミータイプ
システムデスク型 J06シリーズ 除振台J06 フレームが作業性をサポートするデスク型の除振台です
卓上型 J07Nシリーズ 除振台J07 三次元空気ばねを限界まで薄くし、使い易さを追求した卓上型除振盤
防振ゴム式 普及型 J05Nシリーズ 除振台J05N 防振ゴムによる簡易型除振台です
卓上型 J10 除振台J10 J09Nシリーズに防振ゴムを配置することで除振機能を追加したモデル
定盤
光学定盤 卓上型 J09Nシリーズ 定盤J09N 既存の実験台の上に置くだけで光学実験用のスペースを作り出します
架台付き J15シリーズ 定盤J15 架台つきの薄型スチールハニカム光学定盤

優れたスチールハニカム光学定盤の特徴

高剛性の実現
スチールハニカム構造 アルミハニカムに比べて剛性が“60%以上”向上。

定盤内部の上面から下面まで、一切つなぎ目のない一枚のスチールハニカムと、各部品の接合には完全硬化型の接着剤を用いることで高剛性を実現しています。

従来のアルミハニカム同士のスポット溶接や、高さ合わせのためにハニカム同士を上下につなぎ合わせた製品とは一線を画します。



クリーン環境に適した製品
一般的な光学定盤は、定盤の上下面とハニカムコアを組み立てた後にタップ加工を行っています。

残念なことに定盤内部は“洗浄できない“ため、切削油や削りカスが残り、その油が揮発して大切な機材や光学部品を汚染する原因になりかねません。

そこで駿河精機の定盤は、組み立てる前に上面板のタップ加工を行います。そして各部品に“溶剤洗浄“を施してから組み立てるため、上記のような心配が一切ありません。
製造工程 メリット:01_削りカス、加工油が内部に残らない 02_加工油が上面やタップに残らない 03_揮発成分0%の接着剤を使用



クリーンルーム仕様
3-1. BAステンレスの採用 3-2. 落下防止ボトム構造
光学定盤の側面にBAステンレスを採用したオールステンレス仕様で、定盤から微粒子を生じさせないための工夫です。
※例:J02-1007C
薬品や小部品がタップ穴に落ちたときに回収が可能で、かつ定盤内部への埃の侵入を防ぐため、常にクリーンな環境を維持することができます。
BAステンレス 落下防止



最高峰の除振機能とは

実現チューンド・マス・ダンピング構造の実力
JHDとJSDシリーズに採用したチューンド・マス・ダンピング構造(以下TMD)とは、補助質量とばね、およびオイルの組み合わせにより、定盤の共振の抑制に用いられる受動型制振器です。定盤には曲げとねじれの基本モードの共振点が存在します。

例えば、下図のコンプライアンス曲線では290Hz付近で1次曲げモードの共振ピークが現れます。
この共振点をピンポイントで抑制し、狭帯域で優れた効果を発揮する制振器です。

曲げとねじれモードは、定盤の形状・寸法でまったく違った周波数で現れるので、それぞれ最適に調整されたTMDの設計がなされます。なお、オイルは完全密閉されているので、漏れる心配はありません。
チューンド・マス・ダンピング構造
 
※コンプライアンスとは、物体の変形のしやすさを「ひずみと応力」の比で表す物理定数のこと



ワンランク上の技術
    
最適に同調されたTMDは、卓越する共振モードを集中的に制振することができる一方、搭載物の影響などで共振モードが変化し、最適値が崩れると制振性能が減退する恐れがあります。

駿河精機のTMDは、独自のロバスト設計(※1)により、使用環境や搭載荷重の影響による共振モードの変動にも対応し、狭帯域ダンピング構造でありながら広範囲(※2)にわたり制振効果を発揮するワンランク上の『チューンド・マス・ダンピング構造』です。

下のグラフは、他社とのTMD構造のQ値(※3)を比較したものです。
チューンド・マス・ダンピング構造のQ値比較
(※1)ある系が応力や環境の変化といった外乱の影響によって変化することを阻止し、安定した(=ロバストな)機能を発揮する設計手法のこと
(※2)対象となる共振モードを基準に固有振動数で-10%~+5%の理論値をいう
(※3)当該コンプライアンスを理想剛体線で割った値で、振動の増幅度を示す